科学技術省農水産業天然資源研究開発審議会(DOST-PCAARRD)、フィリピン知的財産庁(IPOPHL)との共同セミナーを開催

毎年実施してきたIPコレギウムメンバー会合において、昨年WIPO GREENプロジェクトが10周年を迎えたことを機に、SDGsへの取組に関する今後3カ年のIPコレギウムとのコラボレーション企画(※)を策定しました。
この3カ年計画の2年目となる今回は、環境技術を活用してSDGsに取り組んでいるフィリピンを開催地として、「環境課題と知財/技術のマッチング実現を探る」をテーマにセミナーを開催しました。また、今回は、(一社)日本知的財産協会(JIPA)SDGsワーキンググループ(WG)から3名の方にご参加いただきました。

本セミナーは、科学技術省農水産業天然資源研究開発審議会(DOST-PCAARRD)とフィリピン知的財産庁(IPOPHL)、現地事務局の多大なご協力により開催することができました。JIPAのSDGs WGメンバー、IPコレギウムメンバーからの講演を行い、現地の参加者と意見交換を行いました。また、ラグーナ州ロスバニョス市長を表敬訪問し、DOST-PCAARRDのスタートアップ助成金プロジェクトに参画している企業にも訪問しました。

※3カ年計画
2023年度 オンライン会合:SDGsに関する動向を技術に結びつけて、数名のメンバーから参考事例の情報を共有。
2024年度 オンサイト会合:SDGsに環境技術を活用して取り組んでいる国・地域にて開催。
2025年度 オンサイト会合:日本で開催。前年の発表から取り組んだ成果・経過を発表予定。

今回のフィリピンでのスケジュールは以下の通り;
2月18日(火):DOST-PCAARRD訪問、共同セミナー開催
2月19日(水):ロスバニョス市長表敬、Insiklo社訪問
2月20日(木):IPOPHL長官表敬、共同セミナー開催(コレギウムメンバーと合流)

1日目のDOST-PCAARRDでのセミナーでは、農業関係の組織等から約60名の方々にご参加いただきました。セミナーの前に表敬訪問をさせていただいたEbora博士から開会の挨拶をしていただきました。オープンフォーラムでは参加者の皆様から多くのご質問がありました。セミナーの前後で、イノベーション技術センター(DPITC)等の施設を、DOST-PCAARRDが取り組んでいる様々なプロジェクトについてお話を伺いながら、見学しました。皆さん生き生きとプロジェクトに取り組んでいる姿が印象的でした。

DOST-PCAARRD訪問
DOST-PCAARRD訪問
(前列左から3人目:Ebora博士, Executive Director, DOST-PCAARRD、
中央: Hechanova弁護士, President/CEO, Hechanova & Co., Inc; Vice President, IP Collegium、右から2人目:岩井会長, 発明推進協会; President, IP Collegium)

DOST-PCAARRD共催セミナー 質疑応答
DOST-PCAARRD共催セミナー 質疑応答

2日目には、ロスバニョス市長を表敬し、同市の主な産業が農業であること、テクノロジーの重要性、環境課題に前向きに取り組んでいること等を聞きました。また、同市で実際に環境課題に取り組んでいる企業(Insiklo社)を訪問し、廃棄物、農業副産物を高価値の飼料や有機肥料に転換するアメリカミズアブ(Black Soldier Fly:BSF)プロジェクトについて、MRF(資源回収施設)を視察し、お話を伺いました。

ロスバニョス市長表敬
ロスバニョス市長表敬
(中央左:Genuino市長、中央右:岩井会長)

Insiklo社 MRF(資源回収施設)視察
Insiklo社 MRF(資源回収施設)視察

3日目には、IPOPHLでセミナーを行い、インドやベトナム、フィリピンのIPコレギウムメンバーも含めて約50名の方にご参加いただきました。セミナー開始前には、庁内の様々な部署を案内していただき、IPフレンズを含めた多くの職員の皆さんとお会いしました。同セミナーのプログラム、プレゼン資料を下記ページからご覧になれます。パネルディスカッションの場でも、多くの質問をいただき、講師の方々と参加者の皆さんと有意義な意見交換をすることができました。Da Costa-Villaluz長官に開会・閉会のご挨拶をしていただき、副長官2名にもご参加いただきました。

フィリピン知財庁長官表敬
フィリピン知財庁長官表敬
(中央左:IPOPHL Da Costa-Villaluz長官、中央右:岩井会長)

2月20日のセミナープログラム、講演資料等は、下記ページからご覧になれます。
2025年2月20日(木) IPOPHL共催セミナー

ニーズ側として環境課題を抱えるフィリピンでのセミナーに、シーズ側として日本技術に関するエキスパートであるJIPA SDGs WGメンバーの方々にご参加いただき、情報提供や意見交換を行うことができました。JIPA SDGs WGからのご参加に感謝いたします。さらには、各IPコレギウムメンバーの取組みについても意見交換が出来たことで、国を超えたメンバー間の協力関係の可能性も生じ、コロナ禍後初めての対面開催となった今回、改めてその効果を実感しました。今回のセミナーでの発表を踏まえ、来年度は3カ年計画の最終年として、引き続きメンバーとの関係を強化するとともに、成果のあるプロジェクトとなるよう進めていきたいと気持ちを新たにしました。

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