年頭所感

新たな年を迎え謹んで新春のお慶びを申し上げます。

近年、人工知能やIoTなどの第4次産業革命による新たなイノベーションの進展が期待されております。我が国の地域経済を支え、オンリーワンの技術を持つ中小・中堅企業、そして海外で高く評価されている農林水産業・食料産業においても、製品・サービスのブランド価値を高めるためグローバルな視点での知財マネジメントが重要になっております。こうした状況を踏まえ、国や地方自治体では中小・中堅企業の知財活用を促す取り組みとともに、オープン・イノベーションに繋がる産学・産産連携の強化施策が推進されております。

 当協会におきましても、全国47都道府県の知財総合支援窓口との連携のもと、窓口相談支援事業※1を通じて中小企業等の知財活動支援を行うとともに、知的財産プロデューサー派遣事業※1において知的財産マネジメントの専門人材を大学や研究開発コンソーシアム等へ派遣することにより、研究開発成果をイノベーションに繋げるための支援に努めてまいります。また、アジア太平洋を中心とした途上国等における知的財産関連人材の育成を目的に、これまで5,700人を超える研修生を受け入れてきた産業財産権人材育成協力事業※2ですが、本年も従前の実績を基に同事業の円滑な運営に資するべく取り組んでまいります。

 自主事業に目を向けますと、集合型の知財ist研修・知的財産スポット講座に加え、オーダーメイド出張研修の充実を図るとともに、知財環境の変化に対応した出版物を刊行してまいります。また、これまでに培ってまいりました国内外の知的財産実務専門家とのネットワークを活かし、海外での知財活動に有益な情報提供や個別のニーズに応じた調査・分析などの各種知財サービスの拡充を図ってまいります。昨年10月には知財人材の育成等に寄与することを目的に山口大学と連携協定を締結しましたが、こうした知財並びに教育に関わる有識者・機関の意見を反映しながら、知財創造教育教材、教員用指導ガイド等の作成に向けた検討も進めてまいります。

 当協会といたしましては、本年も皆様からのご要望に沿いながら、知的財産権制度の普及啓発、イノベーションの創出等に寄与すべく努めてまいる所存でございますので、引き続きご支援ご協力の程よろしくお願い申し上げます。最後に本年が皆様にとりまして実り多き一年となりますことを祈念して、年頭のご挨拶といたします。

一般社団法人発明推進協会
会 長  山 口 範 雄

※1 独立行政法人工業所有権情報・研修館 委託事業
※2 特許庁 委託事業

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