年頭所感

平成29年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。

IoTやビッグデータ、人工知能の活用による第4次産業革命が進展する中、新たな技術革新やビジネスモデルを生み出すため、大企業のみならず中小企業、大学・研究機関等においては、知財の秘匿化、権利化、標準化等を使い分けるオープン&クローズ戦略等の知財戦略を絡めた経営判断の下で、新たなイノベーション創出に取り組んでいくことが求められております。
 当協会は、こうした状況を踏まえ、皆様からのご要望や国の知財施策に沿いながら、本年も引き続き以下の事業を推進して参ります。
 まず、窓口相談支援事業(INPIT 委託事業)ですが、全国47の都道府県の窓口との連携のもと、中小企業等の知的財産に関する悩みや課題解決を手助けすることで、事業アイデア段階から事業展開までの一貫した支援を行って参ります。次に、知的財産プロデューサー派遣事業(INPIT 委託事業)ですが、大学や研究開発コンソーシアム等から生み出される研究成果を事業化に結び付ける知的財産マネジメントの専門人材を派遣し、国際競争力を持った産業創出の一助となるよう事業を運営して参ります。そして、これまでに累計5千人を超える研修生受け入れを達成した産業財産権人材育成協力事業(特許庁 委託事業)ですが、本年度もアジア太平洋を中心とした途上国等における知的財産関連人材の育成に協力すべく努めて参ります。

 自主事業に目を向けますと、研修関連では、集合型の知財ist研修・知的財産スポット講座に加え、近年ご要望の増えておりますオーダーメイド出張研修の充実を図って参ります。次に、出版関連では、法律改正に即して知的財産権法文集等を迅速かつ的確に刊行するとともに、読者の多様なニーズに応えられるよう、知財環境の変化に対応した出版物の刊行に取り組んで参ります。
 また、本年2月には知的財産国際交流事業として、「IoT時代の日米欧のイノベーション力」と題した国際シンポジウムを開催する予定です。本シンポジウムでは日米独から知的財産専門家をお招きし、各国におけるイノベーションの展望等についてご講演いただく予定ですので、皆様には是非ご参加いただければと存じます。

 本年が皆様にとりまして実り多き一年となりますことを心より祈念いたしますとともに、引き続きご支援、ご協力を賜りますようお願いを申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

一般社団法人発明推進協会
会 長  山 口 範 雄

※独立行政法人 工業所有権情報・研修館

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